Tokyo Dark Side
何とか受け身を取ったものの、すぐには動けない巽。

耕介が咄嗟に雛罌粟を抱き締めて守った為、彼女は擦り傷程度で奇跡的に助かった。

だが他の2人は、とてもではないが松岡達の追跡からは逃れられない。

「……」

ハヤブサを停車させる松岡。

そのリアシートから降り、亮二がアイスピック片手に近付いてくる。

「探偵さん、探偵さん…!」

耕介の体を揺さぶる雛罌粟。

「お前だけでも…逃げろ…!」

息絶え絶えで耕介が言う。

「あのスピードで転倒して、その程度の怪我とは恐れ入る…が、鬼ごっこもここまでだ」

歩み寄る亮二。

「向井 環の居場所を吐いてもらう」

アイスピックの鋭い切っ先が、光を反射する。

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