Tokyo Dark Side
何にせよ、最早待った無しだ。

現在では抗争事件を起こし、市民に危害が加わると、組長まで責任を問われるように暴対法改正が行われ、そして何より警察が強烈な締め付けを行う為、現在の暴力団は共存共栄が主流であり、抗争が起こると、トップがすぐに手打ちを行う為、近年は抗争そのものが激減し、抗争事件の検挙率は低下している。

鬼首會もそれは理解している筈だ。

にもかかわらず、ここまでの大事件を起こした。

「もう黙っている訳にはいかねぇだろ」

倉本達の背後で声がした。

振り向くと、そこには我妻の姿があった。

「公安の永瀬は、もう独自に動き出してるな。こりゃあ抗争なんてレベルじゃねぇ。もうテロの域だからな。テロなら公安の出番だ」

我妻は倉本をギロリと睨む。

「テメェらはいつまでモタモタやってんだ。野獣なんて言われていい気になって、グズグズしてるからこんな事になっちまったんだろうが」

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