Tokyo Dark Side
それから更に30分が経過した頃。

「あれじゃねぇか?」

松岡が顎をしゃくった。

刑務所の正門から、誰かが出てくる。

黒のダウンジャンパーを羽織った、短髪の男。

彼は見送りの刑務官に一礼すると、簡素な荷物だけを持って歩き始める。

真っ直ぐに、亮二達の乗るミニバンの方へ。

いや、しかしあれは…。

亮二達ほどの暗殺者が、狼狽していた。

まさか、あれは…。

うろたえる3人の乗るミニバンのスライドドアを開け。

「躾がなっていねぇな」

男は乗り込んできた。

「『飼い主様』が出てきたんだ。車から降りて出迎えろ」

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