『忍姫恋絵巻』
「………はぁ…」
部屋を出て、思わずため息をつく。
なんか、色々と疲れた。
拐われるわ、影武者になるわ…。
「まぁまぁ、これからよろしく頼むよ才氷」
霧隠 赤はそう言って、あたしの頭を撫でる。
「はぁ!?気安く触らないで、霧隠 赤!!」
軽い!気安く触るとか!!
警戒して、あたしはサッと距離をとる。
そして、その手を振り払う。
「…赤でいいって。なんでフルネーム?」
霧隠 赤……赤は苦笑いする。
「ふる…ねいむ??」
何それ??
聞きなれない音だなぁ。
あたしは首を傾げる。