『忍姫恋絵巻』
「だから、オッサンが正しいと思う事に協力する」
「そう……」
五右衛門にも、信じるモノがあるんだ。
それが、先崎だった。
「これから、どう動こうか」
あたしの言葉に、五右衛門はパチンッと指をならす。
「まずは、織田に負けない強い人間を集める」
「あたし達だけじゃダメなの?」
あたし、1人で乗り込むつもりだったけど?
「織田の強みが何か、才氷、お前分かるか?」
「……戦い慣れした兵が多い?」
あたしの回答に、五右衛門は「不正解」と首を横に振った。
「織田の家臣、御子柴を知ってるな?」
「知ってる、あの太刀はあたしも危なかった」
あの大ぶりの太刀を易々と振り回す力。
普通の人間に思えない。