『忍姫恋絵巻』
「こんな、子供まで……」
この子は、何も知らないみたいだから、誰かがこの子を利用して、間接的にあたしを狙った?
「ありがとう、おねぇちゃん、少し体調が悪いから、そろそろ行くね?」
「うん!」
そう言って、あたしはその場から離れる。
そして、近くにあった団子屋の影に隠れた。
「ありがとうお嬢ちゃん!」
すると、そこに赤髪、赤い瞳の青年が現れる。
あいつ…。
見覚えないし、何であたしを狙ったの??
青年はニカッと笑って女の子の頭をを撫でる。
「でも…お姉ちゃんが…。体調が悪いって…」
女の子は泣きそうな顔青年を見あげている。
「大丈夫大丈夫!体調が悪くなるくらい良い匂いだったんだって!」
おいおい、それはどんな匂いだし!!
ってか、良い匂いだけど、しびれ薬だから!!
「そんじゃ〜ね〜!」
心で文句を良いながら、あたしは、女の子の頬にキスする青年から、そっと離れた。