『忍姫恋絵巻』
「あんた達全員、生きて帰さない」
あたしは、また冷気を纏う。
「クノイチか!!」
「所詮、女だろ!?この人数で勝てるわけねぇ」
「一気にやっちまおうぜ!!」
男達も武器を構えて、あたしに遅いかかってくる。
「凍てつく精錬の造形…」
あたしは、懐刀を構えて、目をつぶる。
そして、足元に冷気を集め、敵をギリギリまで引き付ける。
「死ねぇーっ!!」
男が、刀を振り上げた瞬間。
「氷花(ひょうか)!!」
足元から、あたしを囲むように、氷の花が花開き、男達に突き刺さる。
「ぐぁーっ!!」
「ひぎゃあっ!?」
男達は、力無くバタバタと倒れていく。
「はぁっ、はぁっ……」
肩で息をしながら、あたしはゆっくりと家光の傍へと歩み寄る。