『忍姫恋絵巻』


「たぶん、このまま追ってくる…」


あたしが、薬に倒れるのを待つつもりかも。
こっちだって、忍びだし、解毒薬も持ってる。


でも……。
少し、向こうの情報も欲しいし、もう少し遊びにつき合ってあげるのも、いいかも。


あたしはそう決めて、そのまま郊外まで歩いていく。


ササッ


「………」


やっぱり、追ってきた。
尾行が屋根の上、木の合間だから、忍びね。それに、あのアブクマ草は、忍びの薬学で学ぶモノだ。


相手は、やっぱり、忍び!!
あとは、目的さえ聞ければ…。


「そろそろ、いいかな…」


人気のいない森に入り、あたしは足を止める。
尾行の足もぴったり止まった。













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