『忍姫恋絵巻』
「うまく言えないんですが…。あたしは、家光を守りたいと思いました。それは、それだけは今ある本当の気持ちです」
これだけは、迷わずに言える。
あたしは、あの人と似ている家光がほっておけなくて、あたしを、好きだと言ってくれた家光自身が大切なんだ。
「才氷、ありがとう!!やっぱり才氷は私のおうじ様ね!」
「ぷっ、家光はブレないですね」
うん、やっぱり家光は笑っているのが良い。
あたしの、人生で2人目の守りたい人。
この時初めて、あたしは過去から1歩、歩き出した。