『忍姫恋絵巻』
「さっきから、目眩はするわ、体は熱いわで困ってるんだけど…」
あたしは、まるで一人言のように振り返らずに喋る。
「そこの殿方、何か知ってますか?」
さぁ、どう出る!?
ストンッ
すると、背後に誰かが降り立つのが分かった。
「おいおい、気づいてたのかよ。お前、ナニモノ?」
「それは、あたしが聞きたいんだけど」
そして振り返ると、その赤の瞳と目が合う。
「クスリ、聞いてないのかよ?確かに、吸ったろ?タフだなー」
「あっさり認めるんだ?」
忍びだって、認めたも同然。
どこの忍び?どこの馬鹿に仕えてるの??
忍びは、個人的に動く事は少ない。
必ず、報酬か忠義のどちらかで動く。
それは、逆手にとれば、報酬か忠義を捧ぐ、主がいるって事だ。