『忍姫恋絵巻』
「才氷!口開けろ」
「むぐ!!」
口の中にりんごアメを突っ込まれる。
「ぶっくく!すげー顔」
「っ!!」
な、なんだ!?
すごい笑顔じゃん、胸がドキドキする。
怒ろうと思ったのに、赤が楽しそうに笑うから…。
言葉が出なかった。
本当、調子狂うなぁ。
「ほら、夜まではいられねーけど、せめて、今だけは楽しもうぜ?」
なんか、楽しいかもしれない。
何より、赤がいると、気が楽だな。
「まぁ、ちょっとだけなら……」
「よし!決まりー」
少し嬉しそうにあたしの手を引く赤を見つめる。
不思議、イライラするだけの相手だと思ってたのに、誰よりも居心地がいい。
それは、忍び同士だから??