『忍姫恋絵巻』


「才氷!口開けろ」

「むぐ!!」


口の中にりんごアメを突っ込まれる。


「ぶっくく!すげー顔」

「っ!!」


な、なんだ!?
すごい笑顔じゃん、胸がドキドキする。


怒ろうと思ったのに、赤が楽しそうに笑うから…。
言葉が出なかった。


本当、調子狂うなぁ。


「ほら、夜まではいられねーけど、せめて、今だけは楽しもうぜ?」


なんか、楽しいかもしれない。
何より、赤がいると、気が楽だな。


「まぁ、ちょっとだけなら……」


「よし!決まりー」


少し嬉しそうにあたしの手を引く赤を見つめる。


不思議、イライラするだけの相手だと思ってたのに、誰よりも居心地がいい。


それは、忍び同士だから??











< 52 / 272 >

この作品をシェア

pagetop