『忍姫恋絵巻』
「黙秘する」
「お前、心に決めた男がいるのか??」
なに?
やけにしつこいじゃん。
いつもなら、どうでもいい事は聞かずに遂行するのに。
「なぁ、才氷…」
「しつこい!そんなの、どうでもいいじゃん」
変な奴!!
あたしに心に決めた男がいたらなんだっていうの?
「へー、なんかムカつく。おじさん、この椿のかんざしちょーだい」
「ム、ムカつく!?」
それはこっちのセリフじゃい!!
てか、そのかんざしどうするの!?
まさか、赤こそ、心に決めた女の人がいるんじゃないの?
フンッと赤から顔を背けて赤の買い物を待つ。
すると、クイッとまた手を引かれた。