『忍姫恋絵巻』
「ずっと探してた女がたまたまアンタだったんでね」
「はー?」
全然説明になってないんたけど!
たまたまって、何なの!?
「誰でもいいって事?」
「誰でもいいけど、大事なのは顔だな」
顔……?
全く、こいつの考えが読めない。
もったえぶって、教える気はさらさらなさそうだ。
「なら、力づくでっ!!」
「うお!?」
あたしはクナイを投げ、青年の気を向ける。
ガキンッ
それを咄嗟に弾いた青年の頭の上に飛躍して、短刀で斬りかかった。
キンッ
「っ…お前、忍か!」
青年は間一髪であたしの攻撃を受け止める。
「っ……!!」
あぁ、解毒剤飲んどくんだった。
ちょっと、力が入らない。動きも、遅くなってる。