『忍姫恋絵巻』
「うぅ、春日局の馬鹿!!」
「それでは、私は部屋に戻ります。あぁ、白木屋の団子はもらって行きますよ、では」
用件をすませたとばかりに、春日局様は部屋を出ていってしまう。
「相変わらずだな、春日局様は」
「赤!赤だけずるいじゃない!!」
「あー、俺に来ますかー、あはは」
怒りの矛先が、今度は赤に向く。
春日局様が、家光の怒りが収まらないうちに消えちゃったから、赤がとばっちり受けてるんだ。
「それに、才氷が椿のかんざしつけてる!!赤が贈ったんでしょう!」
「えっ!?」
な、何で分かったの!?
かんざし見ただけで、赤が買ったなんて分からないはずなのに。
「赤は、椿の花が好きだもの!」
「ま、俺が好きな花を贈りたかったからなー」
シレッと今、物凄い爆弾発言をしませんでしたか??
赤、好きな花をあたしに贈ったの??
一体、どういうつもりで…。