『忍姫恋絵巻』
「何も、怪しい奴いないか、見てただけ」
「ふーん、まぁ、そういう事にしておいてやるか」
あたしの誤魔化しに気づいているのか、赤はあえて聞いては来なかった。
助かった。
あの人の事は、まだ話せる自信がない。
心の中で、整理出来てないから…。
「あれ…何だか城が明るすぎないか?」
「いや、あれは燃えてるんだ!!」
すると、やけに周りがざわつき始めた。
「なんだ…?」
周りを見渡すと、城の方角がやけに明るい。
そして、赤かった。
「城か!!留守を狙ったな」
赤の言葉に、城が狙われた事が分かった。