『忍姫恋絵巻』
「二人なら……?」
あたしの言葉に赤が頷いた。
赤と2人なら、家光を守れる??
家光は、あたしがまた誰かを守りたいって思えた人だった。
家光は、失いたくない。
「お前の事だって守るよ、俺は」
赤の言葉に、あたしは目を見開く。
守る……あたしを?
そんな、守られるような人間じゃないのに。
「あたしなんか、守らなくていいよ。守られるのは、家光の方」
「俺が大切だって思う女を、守りたいって思って何が悪いわけ?」
赤は微笑みながら、あたしの頬を撫でる。
「あたしも……」
その言葉に、赤が目を見開く。