『忍姫恋絵巻』
「……何してるんだおまえらは」
すると、またもやあたしの部屋に来客者が現れる。
変なモノを見るように春日局はあたしと赤を見た。
「春日局!二人がなんだかすっごく仲が良いの!!」
家光は怒ったように、頬を膨らませる。
「………家光、それは誤解……」
「だって、才氷楽しそうよ?私とも仲良くして!!」
え、ええっ!?
なんでそうなるのー!?
家光に、右腕に抱きつかれる。
「もちろん、俺と才氷は仲良しですよ」
「ほう?赤がそんな風に言うとは、珍しいな」
赤の言葉に、春日局は驚いていた。
そして、面白そうに笑う。
「才氷、俺はもう特別だろ?」
そう言って左腕に抱きつかれる。
特別って、あの口づけの事を思い出しちゃう。
そんな風に、近づかれると……。
「は、離れて!!」
きっと、顔も真っ赤になってる。
そんなあたしを見て、赤は嬉しそうに笑うのだった。