【短編】春になったら
「久しぶり。春綺ちゃん」
「…っ……先輩………!!」
わたしは思い切り先輩に抱き付いた。
「…先輩……ごめんなさい…。
わたし…先輩のこと……大好きでした。
ずっと…ずっと……今も…大好きです」
先輩はやさしくわたしを抱き締めてくれた。
「…知ってるよ…。
あいつから、ちゃんと伝言預かったからね。
俺も、大好きだよ」
桜が舞散る
薄ピンクのヴェールのなかで
わたしたちは唇を重ねた。
「先輩、好きです」
「…ずっと、その言葉を待ってたよ」