【短編】春になったら

雨宮と佐倉先輩って、絶っっっ対正反対の性格だよね…。



翌日、いつもより早めに学校に着くと

教室に、雨宮がいた。


何気に早いんだ。


「……おっす」

気まずそうにあいさつする雨宮を無視して、わたしは机のうえに鞄を下ろした。


「……昨日は…悪かった」

「え?」

「急にコクったりなんかして…。
ごめん」


雨宮は伏し目がちに言った。


「いいよ。もう」


「あのさ…?……宮野が好きなのって」

「ん?」

「佐倉…幹雄?」

「はっ、えっ?!」


図星を突かれたわたしは、思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。


「ななな、何で、知って」

「あ、やっぱそうなんだ。
いや、幹にぃ俺の従兄でさ。
昨日『新入生の女の子に桜の花びら取ったげた』っつってたから」



し、信じられない。


遊び人の雨宮と、あの佐倉先輩が

従兄弟どうしなんて……!!



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