隣のアイツは多重人格
ふぁ〜眠い…今日は張り切り過ぎて早起きしすぎたからなぁ…
どうせ今からなっがい話聞かされるんでしょー泣
「今から、先生出てくるからその間に自己紹介カードでも書いてて。」
先生はそう言って教室を出て行った。
毎年恒例のやつね。よーし書くか。
そう思いながらペンポーチを取ろうとしたが、シャーペンがカシャンッと音を立てて床に落ちた。
そのシャーペンを取ろうと手を伸ばした瞬間、誰かの手が伸びシャーペンを掴んでいた。
「へ?」
驚いて私は顔をあげた。
長い前髪で隠れてほとんど見えないけど、長身で凄くスタイルが良さそうだった。
彼はフイッと目線をずらしながら私のシャーペンを机の上に置いた。
「あ、あのありがとう。」
「……」
無・言!?
なーー感じ悪っお礼言ったのに返さないってどーゆことよ!!!
オマケに髪の毛ボッサボサ野郎。
不覚にトキめいたのが時間の無駄だったー。
アイツ、何て名前だろ。
そう思い私は立ち上がり座席表を見た。
間嶋拓人(マジマタクト)
間嶋ねぇ…
そう思いながら席に着き間嶋拓人の事をじっと見ていた。
「こら、涙歌。ダメだよ」
と耳元で呟いた。
「え?」