狼少女と初恋ブルー


「褒めてやってんだぞっ!!」

「やっぱり。生徒と取引しようみたいな考えは、好きじゃないです。そう簡単に騙すことは出来ませんよ」

「くそっ……」

アホか。こいつは。毎年、捕まってるらしいし。去年は、仮面を付けていなかったとかで、退場――――。

アタシは、静かに自分の席に座った。

キーンコーンカーンコーン♪♪

チャイムがなり、授業は終わった。

「夏乃♪」

「ん?」

「今週末さぁプール行こう?貸し切りだから」

「いいけど。なんで、貸し切り?」

「俺が、プール管理人の猫助けたから」

「そんなことで貸し切りかぁ」

「何?」

「双治も、いい人だなって」

「なんだよ急に」

双治の顔は、赤面していた。
そういう所がカワイイ。


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