歪な塔の人
そして今日も
私は人間を続けている。
泣いて傷つけて、
血が出て恨みを語って
それでもまだ私は
命を絶たないまま。

この体を流れる血が
減っても心臓はたえず
動いて、循環させる。
この命がまだ動いてる。
やめられない人生は、
この命は、いつかちゃんと
地球に還れるのかなと、考えた。

廊下ですれ違った松本と
目は合わない。
無駄に面子を揃えたような
人数だけの多い集団で
二人して目をつけられないように
見咎められないようにって
息を殺している。

このせまい社会で
死んだように生きている。
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