黒猫と黒の騎士
戦場から逃れ、アリスは地下にある避難所へメアに抱えられた状態で向かっていた。
「待ちなさい、メア!止まりなさい!」
メアはアリスの静止の声を聞かず走り続けていた。
「止まりなさいと…っ!?」
言っているでしょう!とは続かなかった。
続けられなかった。
ふと見たメアの横顔には一筋の涙が流れていた。
メアはアリスや白夜の5つ上の美人なお姉ちゃん的存在だった。
両親を亡くしてからの4年間、彼女はアリスや白夜を育ててくれた。
彼女だって当時はまだ15歳だったのに、それでも彼女は立派に親のないアリス達を育ててくれた。
元々はただのメイドでしかなかったが、年が他のメイドよりも遥かに近かったため、気軽に話ができ、3人で遊んだりもした。
アリスの両親が死んで、彼女は自分が姫様の面倒を見る。姫様を守って見せると他のメイド達に言い放ち、ここまでアリスを、ついでに白夜を育ててくれた。
アリス達にとってメアが姉であると同時に、メアにとっても私達は、妹であり、弟なのだろう。
そんな弟が今囮になり死のうとしている。
そんなの悲しくないはずがないではないか。
悔しくないはずがないではないか。
その涙に気付いてしまったアリスは何も言えなくなり、黙ってメアに抱えられ、避難所へ向かうのだった。
「待ちなさい、メア!止まりなさい!」
メアはアリスの静止の声を聞かず走り続けていた。
「止まりなさいと…っ!?」
言っているでしょう!とは続かなかった。
続けられなかった。
ふと見たメアの横顔には一筋の涙が流れていた。
メアはアリスや白夜の5つ上の美人なお姉ちゃん的存在だった。
両親を亡くしてからの4年間、彼女はアリスや白夜を育ててくれた。
彼女だって当時はまだ15歳だったのに、それでも彼女は立派に親のないアリス達を育ててくれた。
元々はただのメイドでしかなかったが、年が他のメイドよりも遥かに近かったため、気軽に話ができ、3人で遊んだりもした。
アリスの両親が死んで、彼女は自分が姫様の面倒を見る。姫様を守って見せると他のメイド達に言い放ち、ここまでアリスを、ついでに白夜を育ててくれた。
アリス達にとってメアが姉であると同時に、メアにとっても私達は、妹であり、弟なのだろう。
そんな弟が今囮になり死のうとしている。
そんなの悲しくないはずがないではないか。
悔しくないはずがないではないか。
その涙に気付いてしまったアリスは何も言えなくなり、黙ってメアに抱えられ、避難所へ向かうのだった。