【短】もうチョコはいらない。


「俺は、お前の義理チョコなんかいらねぇんだよ」

理央の視線が、私に向けられる。
その視線は、とても切なく、熱かった。


「俺が欲しいのは、お前の本命チョコだけだから」


胸の奥が、温まっていく。
大粒の涙が、目尻にたまる。

どうしよう。こんなの、想像してないよ。

理央のバカ。
ずるいよ、反則だよ。

ポロッ、涙が頬を伝った。


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