【短】もうチョコはいらない。


私は何度も脳内でその光景をシミュレーションしていたのに。

そのことを美波に伝えると、「あちゃ〜」と顔をしかめる。

「ドンマイ」

ラーメンを食べ終えた美波は、私にそう言って励ましてくれた。.....全くと言っていいほど元気にはならなかったけど。

私はチマチマとオムライスを食べ終え、美波と一緒に食堂を出ようとした。


ーーけど。


「理央くんっ!」
高い声で大好きな幼なじみを呼ぶ声が聞こえ、私は反射的に顔を向けた。


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