全てをくれたあなたに
「あ!真白ちゃんやっと来た!」
私達に気付いた夏希が笑顔で呼ぶ。
龍二が近づいて行くと夏希は自分の隣の座布団をバシバシと叩いた。
「ほら龍二、いつまでも真白ちゃん抱っこしてないで座りなさい!」
「はは、龍二、それだとただのロリコンにしか見えないぞ?」
楽しそうな2人。
「うるせぇよ。」
眉間にシワを寄せながら私を降ろす龍二。
『龍二、ここ。』
するすると龍二の眉間を撫でる。
「っ、あぁ、悪い。」
手を離すともうシワは無くなっていて、同時にクスクスという笑い声が聞こえてきた。
「もう龍二ったら真白ちゃんに甘々ね。」
「そうだな、まさか龍二にこんな相手ができるとはな。」
意味ありげにこちらを見てくる2人。
『?』
意味がわからずこてん、と首を傾げる。