全てをくれたあなたに

「ふふっ、酷い言われようね?
あなた、浮気なんてしていたの?



もしそうなら・・・沈めるわよ?」





上品に笑いながらも最後は低い声で告げる夏希。





「ふっ、俺が浮気するとでも?
少しでも疑ったお前にはお仕置きだな。」




そう言って夏希の腰に腕を回して抱き寄せる仁。




「おい、やめろ。真白がいるんだぞ。」





突っ込むべきところはそこではないが、至って真面目な顔の龍二。




そうしている間にいつの間にかテーブルの上は沢山の料理で埋め尽くされていた。





それを確認した仁が大きめに声を出す。





「さて、全員揃ったか?」




仁の声にざわざわしていた食堂は一瞬で静まり、はいっ!と元気な返事が返ってきた。





「今日は食事の前に大事な話がある。」





私の事だろうと検討のついている彼らは早く知りたいとでもいうように前のめりの姿勢になっている。






「皆気になっている、この子についてだ。」





仁が立ち上がり、龍二に支えられながら私も立ち上がる。
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