全てをくれたあなたに
『・・・いただきます。』
私用に用意されたメロンを口に含む。
『おいひい。』
「たくさん食えよ。」
顔を綻ばせる私に微笑む龍二。
和むように真白を見ていた組員が驚いたように龍二を見ていたことを本人達は知らなかった。
夕食を食べ終え、食堂を出る。
そのまま部屋に戻るのかと思ったら、夏希の部屋に連れてこられた。
『なんで夏希さん?』
「あぁ、風呂に入れてもらおうと思ってな。」
龍二に言われて、ずっとお風呂に入っていないことに気づいた。
流石に体を拭いてもらったりはしていたが、入っていないと気づいたら急に体が痒く思い始めた。
「お袋、真白連れてきた。」
「ちょっと待っててね、すぐ行くわ!」
龍二が呼び掛けるとそう言ってすぐにドアが開いた。
『夏希さん、私服持ってないの。』
「大丈夫よ、今日いろいろ用意させたから真白ちゃんの服はたくさんあるわ。」
さぁ行きましょ、と私の手を取る。