全てをくれたあなたに

『・・・なっちゃん、じゃだめ、かな?』




「え、」





まさかニックネームを付けられるとは思わなかったのだろう、目を見開くと今度は嬉しそうに笑った。





「ありがとう、真白ちゃん!」





『んーん、私もなっちゃんって呼べて嬉しい。』





「ふふっ、こんな気持ち久しぶり。
若返ったみたいだわ。」





そろそろ上がりましょうか、と言って一緒にお風呂を出た。





脱衣所の籠にはいつの間にか服が置いてあった。





『これ、』




「うん、真白ちゃんのために用意したの。
気に入ってくれるといいんだけど・・・」






――・・・




『・・・』




「きゃーっ!可愛い!」




『なっちゃん・・・可愛いけどなんでこれ?』




「真白ちゃんに似合うものと言ったら動物系じゃない!」




ふんふんと鼻息を荒くして言う夏希。
< 107 / 167 >

この作品をシェア

pagetop