全てをくれたあなたに
追いかけて見事ジャンピングキャッチをするルナ。
私が何も言わないのに咥えて持ってくると、私がまた投げるのを待つように座った。
『ふふっ、ルナはお利口ね。』
それから何回か繰り返して遊ぶ。
そのうちに私もルナと触れ合いたくて、靴下を脱いで庭に降りる。
ボールを投げたり、全く相手にならないけれど追いかけっこをしたり。
『はぁ、はぁ、も、疲れたっ!』
縁側に戻って倒れ込む私。
久しぶりに体を動かして笑って疲れきった私の後ろにルナが丸まる。
そして長い尻尾で私を起こして自分にもたれさせる。
『ふふ、ありがとうルナ。
私の一番の護衛は貴方ね。少し、休ませて?』
ルナの首に腕を回して抱きつくようにもたれかかる。
私が目を閉じると、ルナは守るように私の体に長い尻尾を巻き付けた。
目覚めた時に大変な事になっているとは、ルナの暖かさに眠りの世界へと入った私は知らない。