全てをくれたあなたに




――・・・!!


――・・・!!




なんだか騒がしい。




誰かの怒鳴り声、ドタバタと大きな音。





まるで、あの場所に居るような。




『・・・ん、』




私は何も聞きたくなくて自分を包み込むようにくっついている温かいものにぎゅ、と抱きついた。




「ま、ままま真白ちゃん!」





聞いたことのある女の人の声。






『・・・んん、』





ゆっくりと目を開ける。




目の前には艶のある真っ黒な毛。





そして騒がしさに周りを見渡すと、仁と夏希と大勢の組員が集まっていた。





『・・・え?』





「真白、一緒にいるのは一体・・・」





恐る恐る、と言った感じで聞いてくる仁。
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