全てをくれたあなたに
『・・・一緒にいる?』
みんなで作る顔色が悪く、怯えたように私を見る。
いや、私の隣にいる黒いものを見る。
その黒いもの・・・ルナは綺麗なオッドアイを鋭く光らせて、うなり声を上げていた。
その視線は周りの皆をにらんでいて。
『ルナ、駄目だよ。ここにいる皆は私の大事な家族なんだから。』
そう言うとルナは唸るのをやめて私の顔を舐めた。
『っ、くすぐったい。』
「え、ルナ?ルナってあの子猫だった・・・?」
私の口から出た名前に戸惑いながら聞いてくる夏希。
『うん、そうだよ?
ずっと部屋から出してあげられなかったからここで遊ぼうと思って。』
「そ、そうだったの・・・」
「・・・真白には驚かされるな、榊の猛獣を手なずけたと思えば今度ば本物まで手なずけるんだからな。」
くくっ、と龍二と同じように笑う仁。