全てをくれたあなたに
「・・・おい、何してんだ。」
そこへ龍二と銀司が学校から帰ってきた。
『あ、おかえり、龍二、銀司。』
空を見れば夕日で紅く染まり、数羽のカラスが飛んでいた。
「あぁ。何も無かったか?」
龍二は帰ってくるといつも聞いてくる。
『今日はね、ルナが退屈そうだったから部屋から出してあげようと思って。』
「あぁ、だからいるのか。
それで、何でこんな大騒ぎになったんだ?」
『それが分からないの。
私遊び疲れてここで寝ちゃったみたいで、起きたらみんな集まってたの。』
「・・・そうか。」
何か言いたそうだったが、複雑そうにそう言った龍二。
「まぁ、真白に懐いているのなら問題は無いな。抗争でもこんなにひやひやしたことは無かった。」
ふう、と息をつく仁。
「本当、あの子猫の正体がこれだっとはねぇ。ほっとしたらお腹空いちゃった!」
ご飯にしましょ!と組員に言う夏希。