全てをくれたあなたに
そこでやっと固まっていた組員が動き出し、それぞれの仕事へ付いた。
「さて、部屋に戻るぞ?」
いつの間にか銀司はいなくなっていて、龍二に手を引かれて立ち上がった。
『ルナ、帰ろ。』
手を伸ばすと顔を私の手に擦り付けて横を歩く。
「ふっ、ルナがいれば真白は敵なしだな。」
『・・・ルナは仁さんも恐れる護衛だもの。』
先程の仁の焦りぶりを思い出してクスクスと笑う。
「それは、俺も見てみたかったな。」
話しながら歩いていると部屋に着いた。
「着替えたら部屋に行く。」
『うん。』
私達はそれぞれ部屋に入った。
龍二に部屋に置いてもらった冷蔵庫から鶏肉を二つ取り出す。