全てをくれたあなたに
「なんだ?言ってなかったのか?」
そんな龍二の反応を見て呆れたような仁。
「まさか学校に行く話が出るとは思わなかったから、わざわざ危険にさらされるような事を増やすことはないと思ってな。」
はぁ、とため息をつく龍二。
「・・・別に大丈夫じゃない?」
「は?」
夏希の言葉に眉間にシワを寄せる龍二。
「だって、真白ちゃんには仁も恐れる程の護衛が付いてるじゃない。ほら、今も。」
そう言って向けた目線の先には、私の後ろで透き通るような瞳に鋭い眼光を宿らせているルナがいた。
「ふっ、そうだな。最強の護衛だ。」
組長も恐れる程のな、と付け足す龍二。
「俺だって怖いものは怖いんだよ。
まぁ、護衛もいるが、お前達が守る方が一番手っ取り早いと思うぞ。」
「当たり前だ。さて、真白に話さなきゃならねぇことが出来たから部屋に戻る。
話が終わったらお袋の部屋に連れていくから風呂の準備しとけ。」