全てをくれたあなたに

『あ、そうだ。
さっき龍二に学校行くなら髪を切れって言われたんだけど・・・』




夏希の部屋に続く廊下と私の部屋へ続く廊下の分かれ道で、龍二と話した事を思い出して聞いた。





「あっそうね!流石にこの長さじゃいろいろ不便だものね。
普段の生活も楽になるだろうから、明日にでも切りに行きましょ!」




『うん、ありがとう。
おやすみ、なっちゃん。』





「おやすみ。」






そうしてそれぞれの部屋に戻った。





部屋のドアを開けると龍二がいて、私と目が合うとドレッサーの椅子を引いた。





私が座ったのを確認すると、龍二はドライヤーを持って後ろに立った。






ブオオオ・・・という音と共に暖かい風が送られてくる。





『明日ね、髪の毛切るってなっちゃんと話したよ。』




ドライヤーに負けないよう、少し大きめの声で言う。





「そうか。真白はなんでも似合うだろうから、自分の好きな髪型にしてもらえ。」





『うん。』





話している間も龍二の手は優しく髪を梳いていたため、今日遊び疲れたことと気持ちよさが重なって私はいつの間にか眠りについていた。

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