全てをくれたあなたに

いつものようにドレッサーの椅子に座らされる。




瑠璃華はいつものように私の髪にブラシを通し始める。





「もぉ〜、いつもは夜なのに瑠璃華の予定が狂っちゃった!
どうせ宴会なんてセクハラオヤジの集まりなんだからお父様達だけでやればいいのに!」






瑠璃華関係ないじゃん・・・と独り言を言う瑠璃華。




何の宴会かは知らないが、今日の夜は人がいないらしい。





と言っても、私には関係の無いこと・・・と身動き一つせずにじっと座っていた。






今日も上手くいかずに殴られるのだろうか、と考えていると、今日は上手くいったのか時々歓声の声を上げながら私の髪を弄っていた。






アレンジされては解かれ、またアレンジされるという事を繰り返され、気付くと時刻は夕方になっていた。






瑠璃華が昼食を挟んでいたが、まさかそんなに時間が経っているとは思わず、暴力がないと時間の経過が早いな、と感心した。
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