全てをくれたあなたに

瑠璃華が再び私の髪を弄っていると、瑠璃華に使えている女が瑠璃華の支度をしに来た。




「瑠璃華様、そろそろお時間になりますので準備を・・・」





「やだ、もうそんな時間?
楽しくてつい時間を忘れていたわ。」






急いで私の髪を解き、ドレッサーの上を片していく。





「ちょっといつまでいるのよ、早く出ていきなさい!」






まだ私がいることに気づいた瑠璃華が私を連れてきた男を呼んで部屋から押し出した。






「今日はお前にかまっている暇はない。
お前は知る必要は無いが、今日は上の方々がお見えになる。
念の為だがシャワーでも浴びてその血を洗い流せ。」






瑠璃華の部屋の時と同じくトーンを変えることなく告げられ、シャワールームへと連れて行かれた。






脱衣所でドレスを脱ぎ、全身鏡で自分の体を見る。






今日は瑠璃華の癇癪が無いだけ傷は増えなかったが、今朝の人数がいつもより多かったため、傷の程度はいつもより酷かった。
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