全てをくれたあなたに
2階、3階がギャラリーのようになっているため、明るい証明にまんべんなく照らされたホールは居心地の良さを感じさせる。
両開きの扉を開けて入ってきた私達を見て、1階にいたカラフルな頭の男達は挨拶をしたが、ルナを見て顔を真っ青にしていた。
龍二はそのまま奥に進むと階段を登って2階、3階に上がり、重厚感のある扉を開けて中に入った。
冬樹に促されて中に入ると、クリーム色の絨毯が敷き詰められた広い部屋だった。
扉の近くだけ床がむき出しになっていて、そこに龍二の靴が脱がれていた。
絨毯だから土足は禁止なのだろうと思い、私も習ってそこに靴を脱いで龍二の側に行く。
部屋の中央にはローテーブルを囲むように配置された3つの茶色のソファ。
左側にはダブルよりも小さいベッド。
右側には木製のテーブルが壁に付くように配置され、3脚の椅子がしまわれている。
そしてその奥には給湯室があった。
軽く見渡しただけでも不自由ない生活ができそうなこの部屋はおそらく龍二達幹部専用に当てられている部屋なのだろう。
龍二は真ん中のソファソファに座り、私を自分の膝の上に座らせる。