全てをくれたあなたに

「・・・怖いか?」





あまりのカラフルさに思わず足を止めてしまった私にそう声をかける龍二。





『ううん。ちょっとびっくりしただけ。
いつもはどこで話してるの?』






「いつもは2階だが、どうかしたか?」






『私、ちゃんとお互いの顔が見える場所で挨拶したいの。下に降りちゃだめ?』





メンバーの了承を得ないうちに幹部の立ち位置から挨拶すると鳳凰のメンバーに認めてもらえないと思いそう提案する。





龍二達は驚いた表情をすると、やがてふっと微笑んだ。






「あぁ、いいぞ。」





「真白ちゃんはやっぱり清いね〜」





「・・・白、いい子。」






1階にいるメンバーは普段見ないやさしい表情で話しながら降りてくる幹部に驚き、ざわめき始めた。






龍二達が皆の前に並ぶとざわめいていたホールは静まり、メンバーの顔が引き締まった。
< 155 / 167 >

この作品をシェア

pagetop