全てをくれたあなたに
「突然集合かけてすまなかったな。
お前らが気になっているこいつの事を紹介しようと思う。真白。」
龍二はメンバーにそう言うと隣に立っていた私の背中を軽く押して前に出した。
『こんにちは、斎藤真白と言います。
龍二達に無理を言ってここで話すことにしてもらいました。
私は皆さんに謝らなければなりません。
ここに来てから皆さんにきちんとした挨拶もせずに幹部部屋へ入った事、すみませんでした。』
突然謝る私に再びざわめくメンバー。
構わず続ける。
『不満がある人もいると思います。
今すぐ認めてもらえるとは思いません。
少しずつ鳳凰の事、皆さんの事を知り、認めてもらえるように努力します。
図々しいとは思いますが、私がこの溜まり場に出入りすることを許してくれませんか?』
ホールは静まったまま誰一人言葉を発しない。
その静けさのせいか、うまく話せていたか不安になる。