全てをくれたあなたに
凛の病院に着くと、既に治療できる環境に整えられていた。
銀司が女の子をベッドの上に寝かせるのを見届け、部屋から出ようとすると、
「真白ちゃんだけ残ってもらうわ。」
私だけが凛に引き止められた。
「あ?・・・チッ、混乱させるなよ。」
何故か不機嫌になる龍二。
しかし凛と視線を交わすと渋々と言った感じで出て行った。
『・・・あの、凛さん?』
状況がよく分からず、遠慮がちに声をかける。
「ごめんね。
この子の治療が済んだら、真白ちゃんにちょっと聞きたいことがあって。」
ちょっと待っててね?と言うと女の子の治療を始める。