全てをくれたあなたに
治療、と言っても特別な器具がいるほどの外傷は無い。
しかし女の子の身なりから念の為という事だった。
この部屋には凛以外誰もおらず、ただ待っているのも悪いと思い、凛の隣で治療に必要な物を手渡す事にした。
治療が終わり、凛が女の子のぼろぼろで殆ど意味の無い布切れのような服を脱がせ、清潔な病院服に替える。
「・・・ふう。ありがとね、真白ちゃん。
あなたのお陰でいつもより早く終わらせることが出来たわ。」
一息ついた凛が私に微笑んでお礼を言う。
『いいえ。ただ見ているのも悪いと思いと思ったので。
少しでも役に立てたなら良かったです。
・・・それで、聞きたいこととは何ですか?』
私も凛に微笑み返した後、本題に入る。