全てをくれたあなたに

私が動けずにいると、男はもう目の前まで来ていて、私の肩を掴んで押し倒した。





声を出そうにも口からはヒュ、という空気の音しか出ない。






動かない私をいいことに男は首に顔を埋める。





嫌だ嫌だ嫌だ!




気持ち悪いっ!!






思い切って体をよじり、脚をばたつかせる。



鎖のジャラジャラという大きな音に男は顔を離した。






「あ〜うっせぇな・・・
コレ外そっかなぁ、俺も痛いし。」






拘束プレイは好きだけど脚までは余計かな、と呟いて鎖を外した。






私は鎖を外すために離れた男の隙をついて、まだ足枷がはめられている方の脚で男の頭を思いっきり蹴った。






ゴッ、という鈍い音の後、男は倒れ込んだ。
< 17 / 167 >

この作品をシェア

pagetop