全てをくれたあなたに
不自然な部屋に不自然に置かれる真っ白で豪華なデザインの机。
その机以外に家具は何も置かれず、全てが真っ白なこの部屋は居るだけでも平衡感覚がおかしくなりそうな程。
少女が大人しく机に向かうと、女性は満足したように頷いてドサリと大量の分厚い参考書を置いた。
その横に数冊の冊子を置くと、今日中に終わらせなさい、と言って部屋をあとにした。
その後、少女が逃げないようにするためだろうか、カチャリと鍵の閉まる音が響いた。
母親の冷たい対応に泣くこともせず、ただ黙々と高校生や大学生の解くであろう問題をスラスラと解いていく少女。
私は異様なその光景を呆然と見ていた。