全てをくれたあなたに
運命の女 ~龍二side~
俺の家は組・・・所謂ヤクザだ。
この家での俺の地位は若頭。
つまり時期組長だ。
その為、家に帰り門をくぐると黒服の男達が並び、
「「「「「若、おかえりなさいやし!!」」」」」
と、地響きでもするんじゃないかというような声で出迎えられる。
『あぁ。』
そう短く返して、俺は純和風の屋敷へと足を踏み入れた。
廊下ですれ違う男達は俺の姿を見ると歯切れよく挨拶をする。
長い廊下を歩いていても常に声が聞こえ、静かさというものが無い。
『銀司。』
「はい。」
俺のすぐ後ろを歩く側近に声を掛ける。
側近と言っても年は俺と同じ高校生でついでに言うと高校2年生である。