全てをくれたあなたに
『ありがとうございます。
今回の報告は以上となります。』
少しずれかけた話を元へと戻す。
「ご苦労だったな。下がっていいぞ」
『はい、失礼いたします。』
「失礼いたします。」
親父の部屋から出る直前、2人が熱烈なキスをしているのが横目に見えた。
・・・完全にいなくなってからやれよ。
自分の親として仲が良いのは嬉しい事だが、人目を気にせずにいちゃつくのはこっちが気まづくなる。
「組長も相変わらずですね。」
少し下がった眼鏡をクイッと上げながら呆れたように言う銀司。
『いい事なんだろうけどな。銀司、今は仕事じゃない。普通にしてくれ。』