全てをくれたあなたに

その次の日、思わぬ再開により俺達の計画はかなり前倒しになる事になる。






その日、俺と銀司はいつもの通り学校が終わった後組の事務所へ向かい、若頭としての仕事をこなしてから屋敷に戻ろうとしていた。



だが。



『・・・今日は少し騒がしいな。』




「えぇ、何事かあったのでしょうか。」



人気のない道をスーツの男達が何人もかけている。



明らかに裏の人間だ。




車はそのまま走り続け、もう少しで屋敷に着くという所で長すぎる黒髪が視界の端に写った。





『止めろっ!!』






突然そういった俺に運転手は戸惑いながらも車を止めた。





銀司も気づいたようで、運転手に




「私も若について行くので今日はここまでで結構です。屋敷に戻ったら組長に遅くなるとお伝えください。」



と指示を出していた。





「わ、分かりました。失礼いたします。」





返事を聞き終わる前に俺達は車を降り、少女の消えた方へ足を向けた。
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