全てをくれたあなたに
このままでは少女が死にかねないと思い、銀司に連絡をして車を手配させた。
車を待っている間に凛に連絡を入れる。
2分程して到着した車には銀司が乗っており、俺が抱える少女を見て目を見開いた。
できるだけ衝撃を与えないように車に乗り、銀司が持ってきた毛布にその小さな体を包み込んだ。
『凛のところへ急げ。』
「はっ。」
俺のただならぬ雰囲気に運転手は顔をより引き締めた。
『頼む、生きてくれ・・・』
俺は腕の中の少女を見下ろし、青白い頬をそっと撫でた。
俺のそんな行動を信じられないような目で銀司は見ていた。