全てをくれたあなたに
『あぁ。
銀司、一旦屋敷に戻るぞ。』
「りょ~かいっ」
そう言って銀司は電話をかけ始める。
数刻して車が到着し、
『じゃあ後で来る。』
そう凛に告げて車に乗った。
屋敷に着くと俺達は真っ直ぐ親父の部屋へ向かう。
『親父。』
「あぁ、入れ。」
親父もわかっているようで、挨拶もそこそこに部屋に通された。
「ついさっき凛から連絡があった。
詳しい話は銀司から聞くことにする。
龍二は彼女が目を覚ますまでの間、彼女の所にいるといい。
仕事は銀司に届けさせるとしよう。
お前はもう行け。」
学校は休むなよ、とヤクザらしからぬ事を最後に付け足す。
『ありがとうございます。
それでは失礼いたします。』
俺は素早く立ち上がり、自分の部屋へと急いだ。
必要なものだけを持って玄関に待たせてある車に乗り込む。